抄録
ドローンを用いたインフラ設備点検などにおいて、ドローン側でリアルタイムに高度な画像処理を実施できれば、ドローンが持ち帰った画像データに対するオフライン作業の負荷を大幅に削減できる。ドローンのようなバッテリー駆動型組込み機器において、省電力かつ高性能な画像処理を実現するにはそのハードウェア化が有効である。また、ハードウェア化にあたってソフトウェアの自動ハードウェア化を行う高位合成(HLS)を用いれば、多種多様な機器と画像処理アルゴリズムに柔軟に対応できる。ドローンの空撮画像を考えると、撮影画像の霞(ヘイズ)を除去することは、後に続く高度画像処理のためのノイズ除去の観点から重要と考える。本稿では、最暗チャネル優先法に基づくヘイズ除去処理における天空光推定処理のハードウェア化を考慮したHLS向けソフトウェア記述法の提案、並びに実機実験を通してHLSにより得られたハードウェアの性能評価を行い、提案法の効果を示す。