産業応用工学会全国大会講演論文集
Online ISSN : 2424-211X
2021
会議情報

タグチメソッドによるペルチェ式生体用冷却装置の外気温変化に対するロバスト性と省エネ性能の向上
*梅田 隆生*鈴木 新*呉 海元
著者情報
会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 3-4

詳細
抄録

近年,地球温暖化の影響による夏季の気温上昇のため,熱中症対策グッズとして涼感デバイスの需要が高まっている。中でも,ペルチェ素子を用いた生体用冷却装置の研究,開発が盛んであり,モバイルバ ッテリーを装置に内蔵し,ウェアラブル生体用冷却装置として実用化されている。ペルチェ素子は電圧を加えると,一方の面から他方の面へ熱移動が生じる薄型板状の熱電変換デバイスである。小型・軽量で騒音や振動がなく,温度制御が可能であるという特徴をもつ一方,ペ ルチェ素子は外気温変化によって素子両面の温度差に変化が生じるため,温度制御性能の低下が起きやすい。また消費電力が大きく,実用化されているウェアラブル冷却装置では,モバイルバッテリーへの負荷が大きいため,使用可能時間の減少が問題として考えられる。その問題点に対応するために断熱材などを用いたハードウェアでの対策が行われているが,装置の小型化が困難であり,コストの増加を招く。そこで本研究では,安価で対策が可能なソフトウェアでの対策を行う。タグチメソッドによる PID 制御パラメータ設計により,ロバ スト性と省エネ性能の向上を目指す。タグチメソッドを採用した理由は,外気温の変化という誤差条件下にて制御パラメータ設計ができ,制御性能をSN比によって定量的に評価できるためである。直交表実験で得られた消費電力量の値とSN比の値から81通りの推定値の計算を行う。そして,求めたSN比と消費電力量の推定値から散布図の作成を行い,直交表実験から得られた平均消費電力量を下回るSN比が最も高い制御パラメータの組み合わせを選択することでロバスト性と省エネ性能の両立化を図る。提案手法により設計した制御パラメータで温度制御実験を行った結果,市販商品のソフトウェアよりもタグチメソッドにより設計した制御パラメータで温度制御を行った方が,制御および省エネ性能において良好な結果を示すことを確認した。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 2021 一般社団法人 産業応用工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top