抄録
筆者らは,深層学習の技術を画像認識に特化させたCNN(Convolutional Neural Network), SVM(Support Vector Machine), CAE(Convolutional Auto Encoder)などのネットワークを製品の欠陥検出および欠陥部分の可視化に応用した研究を行っている(1).これらの手法では,物体の検出と識別といった2段階に分けた処理が必要となり,実際の製造ラインにおける工業製品の検査工程では十分なリアルタイム性を発揮できないという課題があった.そこで本研究では,深層学習を用いた一般物体検出技術であり高速処理が可能なYOLOv2(2)を工業製品の欠陥検出に適用する.さらに,学習データの新たな自動拡張法を提案し,分類性能や欠陥領域検出の信頼度を比較し,提案手法の有効性を検証する.