抄録
近年の製品は,自由曲面を多く含んだ複雑な形状が一般的である。そのため,製品が設計値通りに作られているか形状測定機で検査することが難しくなっている。形状測定機は,機械工業の分野で三次元的な寸法,位置,形状などを測定するために,三次元測定機(以下:CMM)や非接触三次元測定機(以下:非接触CMM)が広く活用されている。CMMや非接触CMMを用いた形状測定はプローブや光線を使用する。そのため,プローブや光線が届かない場所や内部構造の寸法測定はできない。その一方,内部寸法の測定はX線CT装置の活用が一般的である。しかし,X線CT装置による寸法測定は,CMM による寸法測定に比べ,信頼性が十分ではない。また,非接触測定システムの統一的な評価方法はまだ決まっていない。本稿では,CMM(カールツァイス社製UPMC CARAT HSS),X線CT装置(GE社製v|tome|x L300)の測定値を比較可能な評価ゲージと寸法測定値の信頼性を確保する為に必要な各測定機の測定データの比較を行ったので 報告する。