抄録
近年では消費者ニーズの多様化,低農薬志向,環境への負荷低減などの理由から除草剤を用いない水稲栽培が要望されている。我々の研究グループでは,雑草を物理的に抜くのではなく,走行により雑草の生長を抑制する 水田除草ロボット(以下、除草ロボット)を提案し開発を行っている。これまでに我々は,小型かつ簡易な操作で動かすことができる除草ロボットを目標とし,不整地を安定して走行できる車体の開発を行ってきた。その結果,開発した除草ロボットは,ぬかるみ地を安定走行できることが可能となった。しかし,実用化に向けては,稲列に沿っ て走行し圃場の端(畦)まで到達すると,折り返して隣接する稲列に進入し,再度稲列に沿って走行する必要がある。現状,圃場内の稲列に沿って問題なく走行できているが,この稲列走行を繰り返すための稲苗検知,旋回動作の機能はまだ不十分であった。これまでに稲苗検知・旋回動作を行う際に用いていた安価な距離センサでは,次の稲列に移るために必要な稲苗検知精度が十分ではな いことが課題となっている。 本研究では,提案する除草ロボットが圃場内で稲列走行を繰り返すために必要な稲苗検知方法の検討を目的と している。除草ロボットにLight Detection and Ranging(以 下,LiDAR)を搭載し,取得されるセンサ情報をもとに稲苗検知を行う方法である。稲苗が移植された水田内で稲苗検知実験を実施し,LiDARによる稲苗検知の可能性 について基礎検討を行っている。