抄録
高性能・省電力な組み込み画像処理システムの投入は ,拡大し続ける市場において, シェア 獲得にとって重要である。そのようなシステムの開発には ,CPUと比べ,高性能かつ省電力なハードウェア処理が望ましい。画像処理におけるモルフォロジー変換は,障害物検出におけるノイズ処理過程などにおいて 重要な役割を果たす。本研究では,モルフォロジー変換の基礎処 理となる収縮・膨張処理のハードウェアを開発し,高性能・省電力な障害物検出の実現に貢献する。ハードウェア化を行う際,ソフトウ ェアプログラムをハードウェア言語に自動変換する高位合成を 活用する。しかし,高位合成を行う際,ハードウェア化を考慮したソフトウェアプログラムを記述する必要がある。そこで,バッファを用いた高位合成向きのソフトウェアプログラ ムを提案し,実験において,ソフトウェアとの性能比較を行う。また,基礎処理を応用した,オー プニングとクロージング処理を実機上で実現する。実験の結果,ソフトウェア処理と比較してハードウェア処理の消費電力効率の向上を達成することができた。