抄録
現在,カーボンニュートラル実現を目指して再生可能エネルギーの大規模導入が進められているが、自然エネルギーを利用した再生可能エネルギーは出力が天候,時間,季節に依存し,安定した電力供給が難しいというデメリットも存在する。蓄電池は,出力が過剰な時に充電を,足りない時には放電を行い,自然エネルギーの大きな出力変動を制御できる。一方,導入・運用コストが高いなどの課題もある。著者らは,風力発電における出力変動を減らし,必要な蓄電池容量を低減させることができる手法を提案し,検証を行った。その結果,風車の定格出力を下げることで出力変動を減少させ,蓄電池の容量を減らせることがわかった。また,定格出力の下げ率0.4の時に,少ない設備費で高い売上を達成することができた。今後は,減らした出力分を有効活用できる仕組みを検討していきたい。