抄録
昨今の人工知能の発展は著しく, 特にChat-GTPを始めとする生成系AIなどにおいては,その使用に関しての議論が活発化しているのは周知の通りである。 しかし,現在の人工知能は「学習」による機械システムであり,意識は持たない。 本論は人工知能を超えた人工意識に挑戦するものである。 これは,意識とは何か?という事にも答えることに繋がる。まず,その第一段階として意識に係る問題の内で,逆転クオリアと呼ばれる哲学的問題をニューラルネットワークによりシミュレーションし,その評価が可能かを検討した。その結果、逆転クオリアが実際に起こり得ることを示した。これは個々人のクオリアが異なる可能性を示し, 意識モデルを構築する上で,考慮すべき知見を得たと考える。