抄録
空気圧サーボ系は,空気を動力源として利用し,油圧機器と比較して経済的な利点がある。空気圧機器は安全性が高く,メンテナンスや修理が比較的容易であるという特徴がある。さらに,小型で軽量であるため,多岐にわたる分野での応用が進んでいる。しかしながら,空気圧機器の制御にはいくつかの非線形要素が含まれる。空気圧サーボ系の制御においては,非線形性を補償するた
めにニューラルネットワーク(Neural Networks: NNs)を用いた PID 制御が有効とされている。一般的に,NNs の学習方法として誤差逆伝播法が広く用いられているが,制御対象の入出力関係に関する微分情報を必要とし,学習モデルの構築が難しいという問題がある。また,計算が複雑であるため,現場での実用化が困難であるとされている。そこで本研究では,入出力関係の微分情報を用いることなく,計算が比較的容易な粒子群最適化法(Particle Swarm Optimization: PSO)を用いた NNs 手法の応用を提案する。さらに,実機における位置制御実験を通じて,提案する手法の有用性を検証する。