抄録
鉄道事業者は列車の安全走行のため,省令によって定められた基準をもとに日々点検を行っている。これらの点検は人力で行われており,誤差が生じるだけでなく,事故の危険性もあった。近年では,正確かつ効率的な測定や安全確保のために測定機器の研究開発が進められている。これにより,短時間かつ少人数での測定が可能となったが,コストが高い点や実環境で使用しづらい点などが問題として挙げられていた。この問題を解決するために我々は,1台の 2D-LiDAR で鉄道内形状を測定し,正確な2次元図面を作成するシステムを開発した。しかし,作成した2次元図面において測定点がどの構造物を指しているのか判別できないため,目視で確認する必要があった。本研究では,構造物を特定するためにその材質に着目し,2D-LiDARから得られる反射強度の特性を利用した材質判別手法を提案する。