抄録
近年、認知症高齢者の増加に伴い、徘徊行動の頻度も増加しています。徘徊に伴うさまざまなリスクの中でも、溺水は特に危険性が高く、リアルタイムでの検知が困難です。本研究では、徘徊傾向のある高齢者の安全確保と介護者の支援を目的として、溺水事故を未然に防ぐためのシステムを提案します。本システムは、防水性を備えたペンダント型デバイスにマイコンと無線通信モジュールを搭載し、着用者が水に入ったことを検知すると、即座にモバイル機器を通じて介護者に通知を行います。これにより、緊急時に迅速な対応が可能となります。さらに、本システムは水中などで通信が途絶した場合でも、自動的に再接続を行う機能を備えており、信頼性の向上を図っています。本研究を通じて、高齢者の安全性向上と介護者の負担軽減に貢献することを目指します。