抄録
本研究では,日本語観光情報生成におけるLLMの有効性と課題を明らかにするため,静岡県袋井市を対象として,4種類のLLM・4種類のペルソナ・4種類の旅行タイプを組み合わせた64条件の生成実験を行った.生成文字数,出力トークン数,応答レイテンシ,観光スポット名の正確性,文章類似度,感情傾向を分析した結果,量的指標にはモデル間で有意差が認められたが,ペルソナと旅行タイプによる有意差はがあるとはいえなかった.本実験条件では,GPT-5.4は観光スポット名および所在地帰属についての正確性が高く,Gemini 3.1 Flash Lite Previewは比較的速い応答を示した.一方,一部モデルでは近隣地域の施設を袋井市に誤帰属する事例が確認された.生成文は主にモデル別に類似する傾向を示し,ペルソナや旅行タイプによって文体や感情傾向にも一定の違いがみられた.以上から,LLMは観光情報発信に有用であるが,実用化にあたっては,公式情報との照合といった人間による確認が不可欠である.