建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
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我が国の「建設マネジメント」の体系化の必要性とその基本的課題
馬場 敬三
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1993 年 1 巻 p. 93-104

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抄録

我が国の建設界は現在, 度重なる不祥事に揺れている。この不祥事を生んだ各種の制度の是非等の議論のためには, 建設マネジメントの理論的な体系化が不可欠である。この体系化のために, 建設マネジメントの対象範囲とそれを包括的に取り扱う基本的な理念, 哲学等の究明が必要となる。欧米に発展した建設マネジメントの基本的な思想の本質は我々の其と異なるために, 我が国と欧米の思想の折衷による新たな理論の確立が望まれる。
この新しい理論の究明と体系化を目指して, 我が国の建設マネジメントが直面する問題を分析して, 対象範囲と基本的な理論の究明を行う。我が国の建設マネジメントの直面する問題は一般的課題と個別的課題に区分され, 一般的課題には体系化, 日本的な方法論と欧米の其との折衷, 我が国の建設産業のidentityの究明, 建設界の倫理綱領の確立がある。個別的課題には生産性, 安全, 外国人労働者の問題とその他がある。

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