建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
総合建設会社のランドスケープ技術を生かした総合技術監理システムによる高速道路づくり
山本 徹関 文夫吉田 篤史
著者情報
キーワード: 組織, 施工体制, 合意形成
ジャーナル フリー

2003 年 10 巻 p. 361-368

詳細
抄録

国民の社会資本へのニーズは、社会資本整備の進捗に伴って国民が求める「豊かさ」に質的な変化がみられ、公共投資に関する国民の意識は変化している。国民のニーズは経済効率重視のハード主体の公共投資から、環境や福祉などを重視したソフトを含めた「ゆとりや豊かさ」の実現と変化している。
高度経済成長を支えてきた社会資本整備の施工者である日本の総合建設会社は間接部門を持たない外国のゼネラルコントラクターと違い、技術研究所などの技術開発部門を有しそれを活用するエンジニアリング能力も備えている。現場施工管理においては、組織としての技術支援を得ることにより確かな技術的判断をもって問題解決にあたっている。さらに技術部門は机上の研究活動からだけでなく、豊富な現場経験からのノウハウを集積しその技術力を蓄積している。
本書では、従来の総合建設会社の施工管理部門 (Constructor) と工学的技術部門 (Engineer) の融合に加えて「ゆとりや豊かさ」を提供するために意匠設計能力を有するランドスケープ技術部門 (Designer) を設けて三位一体として活用する「総合技術監理システム」によるランドスケープデザインで、地域との合意形成に貢献した施工実施例を紹介する。

著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top