建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
地域における防災技術力の醸成について
太田 和良
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2004 年 11 巻 p. 417-422

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抄録

東南海・南海地震の危険性が切迫する中、国・県の防災部局、市町村、あるいは住民など各レベルでの防災訓練が種々の方法を用いて実施されているところである。
県にあっては国あるいは市町村問の調整、情報の収集、被害状況の取りまとめ及び発信、報告が主たる業務となるが、公共土木施設を管理する県土整備部としては、自らが管理する施設の状況を把握し、尚かつ即座に使用し得る施設を見極め、さらに応急復旧対策を施すことを判断しなければいけない。地域の振興局建設部では職員一人ひとりが被災現場を前にして諸々の判断を求められるということも容易に想像できる。
そのため、県土整備部としては地域における防災技術力の向上を図るとともに、振興局建設部の職員を中心に応急対応能力 (特に初動体制を確立するための能力) を向上する必要性を感じ、従来は地域住民のための手法として用いられてきた災害図上訓練 (DIG: Disaster Imagination Game) を県土整備行政職員用に工夫しながら試行的に実施した。
今回の試行の結果と、地域における防災技術力の醸成に向けての取り組みについて報告する。

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