抄録
近年・諸活動の原材料として使用される天然資源の輸入価格の上昇が継続しており、我が国に大きな影響を与えている。原材料の輸入価格高騰は、輸入原材料を必要とする産業の生産コストを押し上げ・企業収益を圧迫している。そして、その影響は価格転嫁を通じて他産業に対しても生産コストの押し上げが波及しており、当然、建設資材の生産コストもその影響を受けている。
そこで本研究では、原材料の輸入価格の上昇が建設資材の生産コストへ与える影響について検討することを目的としている。この検討においては、まず、原材料の輸入価格の上昇が、建設資材価格へ及ぼす波及効果について均衡価格モデルを用いて検討した。また、複数年のデータを用いることにより、影響力の変遷を明らかにし、影響力の変動要因を考察した。