建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
合意形成のためのCVMを用いたごみ処理施設建設の補償評価に関する研究
高瀬 達夫藤原 俊小山 健
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2008 年 15 巻 p. 91-102

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抄録

近年の環境問題に対応して, 「ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止法等のガイドライン」が策定されたことにともない, ごみ処理効率化のためにゴミ処理広域化が全国各地で計画・実施され始めているが, 広域化に伴い新たな建設計画が発表されると, 地域住民から反対されるケースが多くみられている.
こうした反対運動の事例では, その選定過程の不透明さや情報の公開不足をきっかけとしていることが多い. こうしたことを鑑み本研究では, ごみ処理建設事業計画を進めて行く過程で必要不可欠である住民の合意を形成するために, 建設地選定によって生ずる住民間の不公平感を軽減するための手段として, 施設建設地の周辺地域に対する補償金を与えるという政策を提案し, 政策を行った場合の支払意志額を算出する. そして事例研究として, 現在ごみ処理広域化計画が進められている長野県大北地域を対象に, CVM (仮想市場評価法) を用いてごみ処理施設建設にともなう地域補償の評価を行った.

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© 社団法人 土木学会
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