建設マネジメント研究論文集
Online ISSN : 1884-8311
ISSN-L : 1884-8311
公共工事の発注規模に関する研究
常見 昌朗渡邊 法美國島 正彦
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1995 年 3 巻 p. 35-42

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抄録
建設業は、依然として他産業と比較して高い事故災害率、労働生産性の停滞、多大な発注事務量に伴う発注者の大きな負担などの諸問題を抱えている。本研究は、これらの問題点の一因として、公共工事の発注規模に着目し、その実情を調査すること、発注規模を変化させた場合において、発注者・施工者などが受ける影響・効果を整理しそれらを定性的・定量的に把握すること、及び望ましい発注規模について提案を試みることを目的とした。定量的把握の第一歩として、大規模発注した場合の公共工事費の積算価格の変化を「建設省土木工積算基準」に基づき、工事規模の変化が間接工事費・一般管理費等に与える影響を試算した。その結果、全国の公共工事の発注規模を1.5倍にしたと想定した場合、約3千億円 (総工事費に対して1.5%)、2倍にした場合、約5千億円 (2.5%)、3倍にした場合、約7千5百億 (3.7%)、の間接工事費・一般管理費等が低減できることが明らかとなった。
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© 社団法人 土木学会
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