抄録
海外建設資材のなかには、価格や品質の面で国産品より優れたものも少なくないが、その十分な活用には至っていないことから、このメリットを積極的に活用することを目的に官民で海外建設資材活用のための取組みが行われている。海外建設資材活用のための取組みには、建設省及び関係公団で行われてきた輸入資材活用モデルエ事等の発注者サイドの取組みや、各建設業界団体で行われているその利用に関する実態調査等の受注者サイドの取組み等があるが、海外建設資材の活用については、発注者および受注者の課題について考えると同時に、その調達に関わる商社 (代理店)、メーカー、及び流通産業も含めた資材調達システム全体を視野に置き考えることが重要である。
本稿は、これらの海外建設資材活用のための取組み結果を分析し、市場原理に基づく資材調達システムの観点から、海外建設資材の活用に関する可能性と課題についての考察を行ったものである。