抄録
ウトナイ湖南側の軟弱地盤の2地点 (火山灰地盤と砂地盤) で液状化アレー観測が行われており, 自由地盤と見なせる砂地盤の観測地点を対象に, 得られた記録を用いて一次元等価線形法の適用性について検討した. 検討は, 過剰間隙水圧が大きく上昇した釧路沖地震 (1993. 1. 15) と, ほとんど上昇していない浦河沖地震 (1991. 11. 27) の2種類に対して行った. その結果, 過剰間隙水圧の上昇が小さくほぼ線形的な挙動と考えられる浦河沖地震はもちろん, 最大せん断ひずみが10-3程度, 過剰間隙水圧が75%程度上昇した釧路沖地震においても解析結果は観測記録をうまく表現できることがわかった. そのため, この程度の地盤の非線型挙動に対しても, 一次元等価線形法が適用可能であることがわかった.