抄録
より迅速かつ効率的なノロウイルス検査体制の構築を目的に,LAMP法ならびにNASBA-IC法について,その有用性を検討した.その結果,LAMP法は標準法 (通知法) であるRT-PCR法と比較し,感度・特異度ともに差異はなく,また迅速性・簡便性については標準法よりも優れていることから,ふん便からのノロウイルス検索に非常に有用であると考えられた.ただし,シークエンス解析に応用できないなどの課題もあり,その活用法については,各施設の実情に応じて考慮していく必要がある.
なお,本研究の概要は第29回日本食品微生物学会総会(2008年11月,広島県)で発表した.また,本研究は平成19年度大同生命厚生事業団「地域保健福祉研究助成」として行われた.