抄録
本論文では、新設の球形ガスホルダーを対象に、構造物・地盤の非線形性、ドーナツ状に地盤改良した三次元効果、地震時の地盤変形の影響等を考慮した構造物-杭基礎-地盤系の地震応答解析を実施し、耐震性の検討を行った結果について報告する。対象構造物は、直径約35mの球形ガスホルダーであり、円形に配置された支柱で基礎に固定されている。基礎は円形に配置された杭と地中梁から成っている。基盤層より上層の地盤は比較的軟弱であり、液状化対策のため杭周辺地盤をドーナツ状に地盤改良している。解析モデルは質点系モデルとし、三次元薄層要素法によるリング加振解により求められる群杭全体の相互作用ばねを質点に付加したモデルである。