抄録
本研究では, 砂の地震時の破壊モードを液状化, 粘土の地震時の破壊モードを初期せん断応力下の繰返しせん断破壊と位置づけ, 砂から粘土に至る中間土の両者に対する繰返しせん断強度特性について調べることを目的とした. 実験は, 非排水繰返し三軸試験装置を用いて, 種々の細粒分含有率からなる室内配合の中間土試料を対象に, 等方圧密下および初期せん断応力下で実施した. 一連の試験結果から, 砂粒子のみで骨格を形成することが可能である限界の細粒分含有率を境界に, 軸ひずみの発生形態が変化することが分かった. 繰返しせん断強度特性は, 細粒分含有率の増加に伴い砂の強度特性から粘土の強度特性へと連続的に移行し, その境界は, 今回の試料において, 細粒分含有率Fc=35%付近であることが分かった.