2005 年 28 巻 p. 198
新潟県中越地震の約一ヶ月後, 著者らは北魚沼郡川口町と魚沼市堀之内町の学校建物 (6校) の振動特性とこれら敷地地盤周辺 (4校) の地盤構造の調査を行った. 建物については, 地盤, 1階床およびR階あるいはその下階で, スパンおよび桁行き方向の常時微動測定を行い相互作用系と基礎固定系の固有振動数を把握した. 一方, 地盤調査はSPAC法に基づきL型の微動アレイ観測を行いその結果得られた分散曲線から地盤速度構造を推定した. これらの調査結果は建物の被災度分析や入力地震動の推定に有用な参照データとなるものと考える.