抄録
鳥取県境港市では2000年鳥取県西部地震において, 近接した (約700m) 震度観測点で震度に違いがみられ, アンケート震度の分布によれば揺れの大きい地域が帯状にみられた. この地域における4地点での強震動観測では, 帯状の強震域上の2点では他の2点に比べ 2地震について振幅差は約4倍であった. そこで, 本研究ではこのような地震動特性の原因を考えるために, 境港市で表面波探査を実施し, 表層地盤の速度構造断面の推定を試みた. その結果, 表層15mまでのS波速度構造が得られ, 断面内で特に深さ5mまでの速度構造に明瞭な違いがみられた. また, 震度特性との比較では, 低速度層の領域では比較的震度が大きく, 高速度層の領域では震度が小さいという関係がみられた.