抄録
一般に地震動の破壊力を示す指標として, 計測震度等が用いられている。しかし, これらの指標は地震動により構造物が何回揺らされ, 疲労がどのくらい蓄積されたかという地震動の繰り返しによる影響を十分に考慮していない。特に2004年新潟県中越地震では本震後の余震によって木造構造物の破壊が拡大した。そこで, 本研究では建築年代別構成を考慮した疲労応答スペクトル強度指標 (FSI) を適用し, 被害との関係について考察するとともに, 森本・富樫断層が震源となる地震動による金沢市の木造構造物被害予測を行い, 震源パラメータの違いによる被害程度を考察する。その結果, 建築年代別構成を考慮した疲労応答スペクトル指標の有効性を示すことができた。