2007 年 29 巻 p. 251-257
本論文では, 確率統計論に基づき液状化対策として固化処理された砂地盤の液状化ポテンシャルの評価法を提案した. 提案した確率統計手法は, 固化処理地盤の一軸圧縮強度の空間的ばらつき, 強度試験に含まれる偶発誤差と推定誤差, 一軸圧縮強度から液状化強度を推定するさいに生じる系統誤差および地盤のせん断波速度のばらつきに起因した地震応答特性の不確定性などを考慮している. 液状化ポテンシャルの評価のために, 地盤要素の液状化安全率FLならびに液状化指数PLを用い, 地盤の一軸圧縮強度の平均値および変動係数が液状化ポテンシャルに与える影響を考察した. 最後に, 実際に施工された固化処理砂地盤に本提案手法を適用し, 固化処理による液状化対策の有効性の評価を試みた.