2007 年 29 巻 p. 30-39
本研究では2006年5月に起きたインドネシア・ジャワ島中部地震の被災地において, 常時微動観測を実施し, 地震被害との相関を評価した. 表層地盤の地震応答特性を広い範囲で明らかにし, 地震被害の規模と全体的に良い相関が見られた. 一部の不相関は地盤特性のみでは説明できないことから, 震源特性や伝播特性の影響が大きく影響していると考えられる. 地滑り現場では滑り土塊の堆積量を.. 1/4波長則を用いて大まかに把握することができた. さらに, 歴史的構造物 (ヒンドゥー教小寺院) , ダムの構造物の地震応答特性を評価し, 地震時に共振現象より大きな地震力が作用する可能性が高いことがわかった.