河道内樹木を適切に維持・管理するための基礎資料を得る事を目的として、徳島県那賀川の河口から川ロダムまでの約43kmの河道内における樹木群落の分布と、その立地環境を把握した。アカメヤナギ群落は下流部の固定砂州上、主に1-2mの比高に、ネコヤナギ群落は上流部の巨礫・崖上の0-2mの比高に分布していた。カワラハンノキ群落は上流部の巨礫・崖や交互砂州上の1-2mの比高に分布していた。アキグミ群落は下流から上流まで幅広く分布しており、下流部では交互砂州と複列砂州、上流部では巨礫・崖と交互砂州上の2-3mの比高に分布していた。以上の結果より、ヤナギ群落は洪水の撹乱を受けやすい最も不安定な立地に、カワラハンノキ群落は比高の高い安定した立地に、アキグミ群落はさらに比高の高い最も安定した立地に分布の中心を持つと考えられた。