抄録
近年の経済のグローバル化に伴い, CO2排出の国際移転問題が懸念されている. 本研究では, 産業連関分析の手法を用いて, 日本, 米国, アジア諸国間におけるCO2排出負荷の指標としてCO2内包係数を算出し, その経年変化の要因分析を行った. 結果として, アジア諸国は, 日本, 米国, 中国との取引において熱、CO2内包係数を示し, また, 経年的には国家間取引の急激な増加を要因として, CO2内包係数は高まる傾向にあることが明らかとなった.中でも, 特に中国との取引拡大に伴うCO2内包係数の増加は顕著であった.