抄録
本研究では、宗教と水の関係が密接な関係にあるヒンドゥー教の聖地「ヴァラナシ (Varanasi)」の河岸空間ガート (Ghat) で行われるDev Diwali祭を対象とし、住民主体の地域環境を再生する可能性を提示することが目的である。Dev Diwali祭はモハッラ (Mohalla) と呼ばれる周辺コミュニティが中心となり、10年程前から汚染の深刻化したガンジス川 (Ganga) を美しくしようというメッセージが伝統的な祭の意味に加えられ、現在はヴァラナシ最大級の祭となっている。そこで先ず住民に対してヒアリング調査を行い、日常におけるガートとモハッラの関係性を明らかにし、Dev Diwali祭が日常の社会構造に及ぼす影響についてヒアリング調査と祭の現象を基に考察を行った。その結果、この祭には「伝統的仕掛け」と「現代的仕掛け」と呼ぶことのできる、河岸空間と周辺コミュニティの関係性の再生に有用な構造があることを明らかにした。