2023 年 84 巻 7 号 p. 1084-1090
腹腔鏡下肝切除は2016年4月より血行再建や胆道再建を伴わないすべての肝切除術式が保険収載された.近年では,肝内再発病変や転移性病変に対しても可能ならば繰り返して肝切除を施行することで予後改善するとの報告もあり,腹腔鏡手術が選択されることもある.しかし,横隔膜直下の肝上部領域(S7・S8)の腫瘍の切除は視野確保も困難で手術操作も制限されるため,技術を有する.特に,複数回の腹部手術歴のある腫瘍に対しては,開腹を選択しても癒着等で切除に難渋することが多い.今回,横隔膜直下の腫瘍に対し,過去の手術歴のために,胸腔鏡下,経横隔膜アプローチを選択し,切除を施行した肝部分切除例を経験したので,その治療成績を踏まえ,報告する.