環境システム研究論文集
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旧流路湿地における自然再生を目的とした適正洪水導入間隔の検討
田中 規夫北上 裕規小川 友浩浅枝 隆
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2004 年 32 巻 p. 197-203

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抄録

河川内の自然再生湿地の湿地植物ヨシと陸上植物オギの競合が洪水規模・洪水間隔, 茎の破壊によって受ける影響を評価した. 二次元の水深平均レイノルズ方程式を用いて河川流を解析し, 茎に働くモーメントを算定した. ヨシ・オギへのダメージの1種である茎の破断に限定し, その影響を想定した生長モデルを作成した. モデル解析により, 洪水規模・洪水間隔の影響を単独生長の場合と競合生長の場合についてバイオマス減少量で評価した. その結果, 両種の茎が折れる洪水規模で洪水間隔が1年であれば両種とも群落の維持が危うくなること, 洪水間隔が2-5年程度であれば混成群落が続くがオギの優位性が減少するため, 湿地植物から陸上植物への遷移を遅らせることが可能であること, 等が評価できた.

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