抄録
本論文では, 循環型社会の構築に寄与する情報の提供を目的として, マテリアルフローとストック量を整合的に推計する手法を提案した. さらに, その手法に基づいてわが国の近年におけるこれらの諸量の推計を行なった. 取り上げた例は, 1970年から1995年における日本全体を対象としたもので、総務庁が構築している多年次の産業連関表および物量表を長期的な時系列比較ができるように加工し, 木材, 鉄, 骨材の3つの物質に関するフローとストック量を推計したものである. ストック量の経年変化の推計結果からは, 木材のストック量は伸びがゆるやかになっているのに対し, 骨材のストック量は依然高い伸びを示していることが明らかになった. 鉄はこれらの中間の傾向を示した. また, マテリアルフロー推計の結果, 各産業におけるそれぞれの物質の投入量・産出量・廃棄物量などが把握できた.