抄録
建築用木材の利用に関わる炭素収支について, 国内の森林と建築分野における木材需給バランスを考慮した上で木材利用量を変化させるシナリオを検討し, 2050年までの炭素収支を分析した, 国内の森林は, 1990年時の森林蓄積を維持した上で, 京都議定書で定められた炭素吸収量を確保しながら建築分野における最大木材利用量を供給可能であることが確認できた, これを受けて, 木材需給バランスを変化させるシナリオによって炭素フローを評価した結果, 建築用木材利用量の政策目標達成シナリオでは, 現状推移シナリオと比較して2050年に1990年時国内総CO2排出量1.7%相当の炭素削減効果があると推計された. また, 同ケースの炭素ストック評価では, 2050年までの炭素蓄積増加量は現状推移シナリオの1.24倍相当と推計された.