抄録
都市部の公園から派生する伐採残滓からなるヤードウエイストコンポストを, 需要の増加が見込まれる都市内の人工地盤に還元する方法について検討を行った. 農地還元であれば, 従来どおり経験則に基づく施肥で十分な効果が期待できるが, 乾燥しやすい環境下にある都市内の人工地盤へ施肥する場合, 従来の知見だけでは十分な改良効果を期待することはできない. 著者らは乾燥の程度を調べた上で, 含水比低下に伴う堆肥の影響について調査を行った. その結果, 堆肥を乾燥させると, 膨軟性が低下することが分かった. そのため, 乾燥させた堆肥を敷き均して施肥した場合の効果について, 主として降雨の貯留効果の観点から, 実験的検討を行った.