環境システム研究論文集
Online ISSN : 1884-8125
Print ISSN : 1345-9597
ISSN-L : 1345-9597
衛星データを用いた人工林生育状態の判定システムの構築に関する基礎的研究
谷川 寛樹長谷川 渚小上 幸代法眼 利幸
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 33 巻 p. 469-475

詳細
抄録

手入れの行き届かない人工林は, 健全性を失い, 本来もつ多様な機能を十分に発揮できない現況にあり, 適切かつ持続可能な人工林の維持管理が必要不可欠となっている. 本研究では, 広範囲を観測することが可能である衛星データを用い, 人工林を効率的に管理するため, 人工林生育状態を判定するためのシステム構築を目指し, 1) 土地被覆状態の把握, 2) 人工林生育状態別分布図の作成および面積推計, 3) 人工林生育状態別分布図の評価を行う. 現地調査データと衛星データ (Landsat5/TM, Landsat7/ETM+, ASTER/VNIR) を比較することで判定を用い, その判定精度についての検討を行った.
NDVIを用いて人工林を生育状況別に判定した結果, 研究対象地域の和歌山県印南町において, 人工林のうち62%(2001年, Landsat7/ETM+) が健全であると判定された. 検証の結果, 生育状態の判定精度は66%であったが, 特に北斜面と斜面角度31~40度の地点に誤判定が偏っていることが確認された.

著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top