抄録
改革開放政策に転じて以来, 中国農業は大きな転換を経験した. 単位土地面積あたりの生産性 (土地生産性) の向上によって, 国全体の食糧生産は増大してきた. 中国の重要な穀倉地帯である黄河流域においてもこの事情は同じであるが, 生産性の向上が実現された要因についてはまだ十分な分析がなされていない. ここで, 土地生産性は地域ごとの自然条件や社会条件に大きく依存する. このため, 本研究では, 黄河流域を上流域・中流域・下流域・扮河流域・滑河流域の5流域に分類し, 1980年, 1991年, 1997年, 2000年の4年次を対象として, 流域別に土地生産性に影響を与えた要因の同定を行った. その結果, 生産性に影響を与えた要因は流域によって異なることを確認した. また, 生産性向上のための方策を流域別に検討した.