2006 年 34 巻 p. 1-8
本研究は, わが国の環境問題・政策の推移を客観的な数値データとして捉えることを目的としている. 具体的には日本の環境白書を基にしたEICネット環境年表を使用し, 年表の記載事項4, 845件を対象にキーワードとセンテンスに着目した分析を行なう. キーワード分析では環境政策の視点が如何に変化したか, センテンス分析ではキーワード分析だけではカバーできない政策の目的や様態の実態を明らかにする. なお, キーワードおよびセンテシスは統一ルールに基づいて独自に設定し判断を行なった. 政策の重点は衛生と公害分野から自然保護, 気候変動, 循環型社会へと移り変わっていることが示された. 政策自体年々増加していることと, その内容が多様化し複雑になっていることも示された.