途上国では急速にモータリゼーションが進展し, 自動車排出ガスに起因した大気汚染が深刻化している. ASEAN諸国は排出ガス規制導入を目指しており, それには燃料性状改善が必要である. これには石油精製の高度化に加え, 流通末端の品質確保が必要であり, これを担保するシステムが不可欠となる.
本研究では, フィリピンとインドネシアを対象に流通末端の燃料品質分析を行い, 流通品質の検査体制の評価手法を作成した. 分析の結果, 不適合燃料が相当程度検出され, 製油所出荷からスタンドまでの流通段階での品質劣化の可能性が示された. また, 検査体制の評価手法をフィリピンに適用し, 現在の公的品質検査はサンプル数の上で不十分である可能性を示した.