環境システム研究論文集
Online ISSN : 1884-8125
Print ISSN : 1345-9597
ISSN-L : 1345-9597
地域住民の特性を考慮した避難計画の総合評価
高木 朗義廣住 菜摘澤田 基弘
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 34 巻 p. 277-284

詳細
抄録

近年頻発する自然災害により顕在化してきた避難に関する様々な課題を解決するためには, 住民や地域特性の視点から避難計画について総合的に評価する必要がある. 本研究では, 避難所・避難路の地域住民に対する適切さを表す個別評価指標とその相対的重要度の積和によって表現される総合評価指標を提案する. 個別評価指標は避難計画の問題点を定量的に判断するための指標であり, 相対的重要度は世帯属性, 地域属性, 時刻によって表現される. アンケート調査に基づいて特定化した総合評価指標を用いて, ある世帯に対する地震時避難計画について評価した結果, 一次避難に適している避難計画と二次避難に適している避難計画が存在することがわかった.また自助・共助・公助の各視点から改善策を考案して評価した結果, 各改善案の長短所がわかった. 以上のことから, 住民と地域の特性を考慮した避難計画を様々な面から評価するとともに, 改善案を検討できる指標が提案できたと思われる.

著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top