2006 年 34 巻 p. 347-352
米国ロングアイランドでは, 1993年以来, エコシステム保全・地下水保全を目的とした開発権移転 (TDR) プログラムが実施され, 成果を挙げている。本稿では, この事例に着目し, 環境保全を目的としたTDRプログラムの意義と課題について考察を行った。主な所見は以下の通りである。
米国におけるTDRによる都市近郊田園地域の環境保全は1970年代以来の知見の積上げにより効果的な手法として定着しつつあるが, 運用の煩雑性や市場からの影響の受けやすさ等から, その運用は, 単独ではなく公的土地取得等と一体的なものとなっている。