抄録
近年の成長が著しい中国の巨大都市である重慶において2004年8月の典型的暑熱問題日に観測された暑熱環境指標関連のデータを解析し, 当該都市内の景観の異なる複数地点における体感温熱指標を計算し, その空間的時間的特徴について, 周辺都市構造からの検討を行った. その過程において, 都市計画GISデータなどの電子空間情報基盤へのアクセスが不可能であったため, 魚眼レンズを用いた天空写真およびRay Man Modelを用い, 観測で求められた体感温熱指標の数値計算による検証を行い, 計算値との良好な一致をみた. このことは, 精緻な電子空間情報基盤が存在しないフィールドにあっても, 簡便な手法によって一定の精度で体感温熱指標が算出できる可能性を示唆する. この手法は, 都市空間情報基盤不足地域における熱環境評価にとって有益と考えられる.