抄録
雨天時に流出する汚濁物質には都市域ノンポイントソースに由来する微量有害物質が多く含まれており, 中でも多環芳香族炭化水素類 (PAHs) や重金属類の受水域への生態影響が懸念される. 本研究では, こうした微量有害物質が底生生物に及ぼす生態リスクを評価するための基礎的な知見を得ることを目的とし, 都市域ノンポイント汚染の影響を顕著に受けていると考えられる都市環境堆積物の現存調査を実施するとともに, それらにセスジユスリカを用いた生態毒性試験を実施した. その結果, 都市域ノンポイントソースに由来する微量有害物質の流下過程における現存特性を明らかにするとともに, 発生源に近い都市環境堆積物がセスジユスリカの羽化率や産卵率を大きく低下させるなどの生態毒性を明らかにした.