2008 年 36 巻 p. 237-243
本研究では, 複数の文献資料から農業生産活動に関する情報を詳細に分析し, 1928年, 1932年の農業由来の負荷投入量を推定した. その結果, 水田から現在の約1/10, 畑地から現在の1.4倍の負荷投入量があったことが明らかになった. 定量的な負荷投入量の推定が難しいと考えられる昭和初期でも, 過去の文献資料の記録をつなぎ合わせ, 詳細に分析することで負荷投入量推定が可能であることを示した. 同時に, 昭和初期の窒素負荷の実態, 窒素負荷が少なかった社会的背景などの結果が得られた.