抄録
京都議定書の第1約束期間を迎え地球温暖化対策が急務となっている中, 環境と経済の両立を図る省エネルギー環境ビジネスとしてESCOが注目されているが, 病院や事務所施設等の民生部門への導入に限られているのが現状である. そこで本研究では, これまで殆ど試みのない, 都市の環境施設である清掃工場へのESCO導入可能性に着目した分析を行った. まず清掃工場のエネルギーフローを分析し, 次に様々な省エネルギー方策の適用可能性について環境面及び経済面から分析を行った結果, ガスコジェネレーションやインバータ等の導入によりCO2及びエネルギー費用削減効果が大きく見込まれること, また経済面ではガスコジェネレーションにおけるRPS法による売電上乗せ価格やエネルギー価格が投資回収年に影響を与え, 特にガス価格の及ぼす影響が大きいことを明らかにした.