放射線防護分科会会誌
Online ISSN : 2432-6526
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診断用X線装置アンケート調査報告(その1)
松浦 孝俊石川 光雄奥秋 知幸今井 宣雄塚本 篤子井手 敏典篠原 文章宮崎 茂他X線装置研究会会員一同
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2002 年 14 巻 p. 36-

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抄録

【目的】X線装置研究会では、過去5回にわたりX線装置および撮影条件の動向調査を行ってきた。撮影技術学上、X線装置、感光材料などを知ることは重要なことである。また、これらは周辺技術の急速な発展から年々進歩をしている。特に、ディジタル系の普及は目覚ましく、一部ではフィルムレス化が進んでいる。X線装置、感光材料等の推移、使用方法など現状を把握することを目的に調査研究を行った。【方法】調査対象は、前回調査の施設等400施設である。調査内容は、施設、電源、X線高電圧装置、X線管装置、可動絞り、短時間撮影、自動露出制御、撮影装置・付属機器、小児撮影、装置管理、撮影条件である。【結果】施設、電源、X線高電圧装置およびX線管装置について報告する。400施設からの回収数は132部で回収率は33.0%であった。内訳は大学病院が50.5%、国立病院33.3%、公的医療機関32.5%、社会保険関係41.7%、労災病院50.0%、公益法人50.0%、医療法人12.7%、会社病院33.3% 個人病院22.2%その他 7.7%となった。用途別については一般撮影装置総台数603台のうちインバータ式撮影装置408台、消化器撮影装置総台数399台のうち260台、血管撮影装置(シネ撮影装置を含む)総台数297台のうち210台、乳房撮影装置総台数119台のうち88台と各撮影装置においてインバータ式撮影装置の普及を反映している結果となった。インバータ式X線装置の電源は三相200Vが54%、また、定格出力は80kWが40%であった。全X線管装置では、ターゲット角度12°が55%、200〜299kHUが39%であった。【考察】電源容量、電源電圧とも前回と同様、装置の大容量化を反映していると思われる。インバータ式X線撮影装置の定格出力は前回と比べても大差はないが各装置においてインバータ式X線撮影装置への移行が進んでいる。今後インバータ式X線装置の利点を生かした回診撮影装置、乳房撮影装置等の更なる普及が見込まれる。一般撮影系ではターゲット角度12°X線管が多く使われているが血管撮影系では少角度のX線管が多く用いられ、又陽極熱容量も500kHU以上のものが主流であり今後もこの傾向は続くと思われる。[graph][graph][graph][graph]

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© 2002 公益社団法人日本放射線技術学会
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