放射線防護分科会会誌
Online ISSN : 2432-6526
Print ISSN : 1345-3246
診断用X線装置アンケート調査報告(その2)
奥秋 知幸今井 宜雄塚本 篤子松浦 孝俊石川 光雄井手 敏典篠原 文章宮崎 茂
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2002 年 14 巻 p. 37-

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抄録

【目的】X線装置研究会では、過去5回にわたりX線装置および撮影条件の動向調査を行ってきた。前回は平成7年度に行い、約5年が経過した。周辺機器を含めX線装置は年々急速な発展をし、臨床におけるこれら装置の使用方法にも、変化が認められるものと予想される。ここでは可動絞り、短時間撮影、自動露出制御、撮影装置・付属機器、小児撮影および装置管理について、その動向や使用方法および現状を把握することを目的に調査研究を行った。【方法】調査対象は、前回調査の施設等400施設である。調査内容は、施設、電源、X線高電圧装置、X線管装置、可動絞り、短時間撮影、自動露出制御、撮影装置・付属機器、小児撮影、装置管理、撮影条件である。【結果】可動絞りについては照射野のズレ試験を67%の装置が行われていた(Fig.1)。最短撮影時間は10ms以下の撮影が前回と比較して、64%から75%へ上昇した。最も短時間で撮影する部位は乳幼児胸部、次いで成人胸部であり、前回とほぼ同じ結果であった。自動露出制御の有無については、特に一般撮影での所有率が60%から72%へ上昇するとともに、自動露出で撮影した場合に、撮影時間のわからない装置が8%から4%へと減少した(Fig.2)(Fig.3)。装置管理では不変性試験という言葉を知っているのは32%であり、点検時に80%の施設が測定を行っていた。また、約半数の施設で装置取扱説明書の内容が不十分との回答であった(table.1)。[figure][figure][figure][table]

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© 2002 公益社団法人日本放射線技術学会
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