抄録
近年工作機械では、すべり案内に代わって転がり案内が広く使われるようになってきた。理由は転がり案内と比べて簡便で保守潤滑が容易であり、摩擦損失が小さく、高精度化、高速化、省エネルギー化が期待できるからである。また、転がり案内は弾性接触機構を基本としていることから、転動体の接触状態が許容荷重や摩擦損失に大きく影響する。本研究では、従来1円弧で形成されていたリニアベアリングの軌道面の形状を、より大きい荷重に対応するために2種類の曲率を有した3円弧にすることで、リニアベアリングの走行性能に密接に関係する摩擦損失、弾性変形量がどのように変化するのかを、理論と実験の両面から明らかにすることを目的とする。