人工透析研究会会誌
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高齢者慢性血液透析におけるblood access不全症例の検討
橘 政昭畠 亮田崎 寛内藤 千秋和田 孝雄小沢 幸雄
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キーワード: 高齢者透析, 抗凝固剤
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1981 年 14 巻 4 号 p. 203-206

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抄録
最近, 血液透析技術の進歩と共に, 高齢者に対するその適応も拡大されてきている. 著者らは, 特に75歳以上の初回導入慢性透析患者につき, blood accessの問題点を取り上げ検討した. 75歳から80歳までの12症例を対象とした. 5症例に延べ14回のshunt failureを認め, そのうち2例においては, たび重なるshunt閉塞のためPTFE graftを使用した. 透析使用回数とshunt閉塞の関係を検討したところ, 透析使用前及び10回以内の早期閉塞が, 14例中9例と多かった. Shunt閉塞を助長する因子として, 血小板数, コレステロール値, フィブリノーゲン値, 血圧につき比較したところ, shunt閉塞例において, 正常値より逸脱する傾向が認められた. 著者らは, shunt閉塞をくり返す高齢者症例において, 抗凝固剤の投与を行い, 良好な結果を得ており, 症例を呈示して, その有用性を強調した.
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© 社団法人 日本透析医学会
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